
本記事はAFFiNE開発チームが執筆しています。自社ツールを含む比較のため、AFFiNEが向かないケースや、セルフホスト運用で実際につまずくポイントもそのまま書く方針です。
関連する導線として、AFFiNE vs Notion、AFFiNE料金、議事録AIワークフローもあわせて確認できます。
Notion代替OSSとは、Notionのようなドキュメントやデータベースの機能を持ちながら、ソースコードが公開されていて、自分のサーバーでも運用できるソフトウェアを指します。探すときに最初に決めるべき条件は「どこにデータを置くか」「誰と共同編集するか」「ノート以外に何を扱うか」の3つです。無料かどうかだけで選ぶと、同期、権限、移行、バックアップで後から詰まります。
たとえば個人のローカル保管が最優先ならLogseqやJoplin、チームでの共同編集と権限管理が最優先ならOutlineやDocmostのように、条件を先に決めるだけで候補は半分以下に絞れます。AFFiNEはページ型ドキュメントに加えて、ホワイトボード型の思考整理やAI支援も同じ空間で使える点が特徴ですが、純粋なローカルMarkdown保管だけを求めるなら、より軽いツールの方が満足度は高いはずです。
もう1つ、事前に確認したいのがライセンスです。「オープンソース」を名乗っていても、OutlineのBSLやAnytypeの独自ライセンスのように、OSI定義のOSSとは条件が異なるものがあります。商用利用や改変の予定があるなら、ライセンス条文まで見てから選んでください。
ここでいうOSSは検索語に合わせた広い比較軸ですが、実務では「完全なオープンソース」「ソースコード公開型」「ローカルファーストだが非OSS」を分けて見ます。商用利用、改変、再配布、セルフホストの予定がある場合は、機能表だけでなくライセンス条文と更新状況も確認してください。日本語UI、日本語ドキュメント、国内での導入事例の有無も、長く使えるかを左右します。
| 候補 | 向く人 | 注意点 |
|---|---|---|
| AFFiNE | ドキュメントとホワイトボードを両方使う人 | 運用前にチーム権限設計が必要 |
| AppFlowy | Notion風のOSSデータベースを試したい人 | 必要機能は導入環境で確認 |
| Logseq | アウトライナーと双方向リンク派の個人 | チーム運用は設計が必要 |
| Joplin | 暗号化同期付きMarkdownノートが欲しい人 | データベース型の管理は不向き |
| SiYuan | ブロック型とローカル保存を両立したい人 | 情報源は中国語圏が中心 |
| Outline | 社内Wikiを軽く作りたいチーム | ライセンスはBSL(厳密にはOSSと異なる) |
| Docmost | Confluence的な社内文書をOSS化したいチーム | 比較的新しいプロジェクト |
| BookStack | マニュアルを本・章・ページ構造で管理したい人 | 自由なブロック編集は不向き |
| Trilium Notes | 階層型の個人知識ベースを作り込みたい人 | 本家は開発終了、後継のTriliumNextが主流 |
| Anytype | ローカルファーストと暗号化を最優先する個人 | 独自ライセンス(OSI定義外) |
「開発が活発か」「ライセンスが要件に合うか」は、紹介記事の形容詞ではなく数字で確認するのが確実です。以下は2026年7月時点でGitHubの公開データを確認した結果です。
| 候補 | ライセンス | GitHub Star数 | Notionからの移行手段 |
|---|---|---|---|
| AFFiNE | エディタはMIT、サーバーは独自EE | 約70,000 | Markdown/HTML取り込み |
| AppFlowy | AGPL-3.0 | 約73,000 | 公式インポート機能 |
| Logseq | AGPL-3.0 | 約44,000 | Markdown取り込み |
| Joplin | AGPL-3.0 | 約55,000 | Markdown取り込み |
| SiYuan | AGPL-3.0 | 約45,000 | Markdown取り込み |
| Outline | BSL 1.1 | 約40,000 | 公式インポート機能 |
| Docmost | AGPL-3.0(EE部分あり) | 約21,000 | Markdown/HTML取り込み |
| BookStack | MIT | 約19,000 | 直接の取り込みなし(API経由) |
| Trilium (TriliumNext) | AGPL-3.0 | 約37,000 | Markdown取り込み |
| Anytype | 独自(Any Source Available) | 約8,000 | 公式インポート機能 |
10候補すべて、2026年7月時点で直近1か月以内にリポジトリの更新があります。数年前の紹介記事に載っていたツールには開発が止まったものも多いため、採用前にはStar数の大きさではなく、直近のコミットとリリースの日付を必ず見てください。
なお、AGPL-3.0のツールを改変して社内外にサービス提供する場合は、ソース公開義務の範囲を法務と確認しておくと安全です。改変せずに社内ツールとしてセルフホストして使うだけなら、通常は問題になりません。
ページ型ドキュメントとホワイトボードを同じ空間で使いたい人に向きます。ブロックエディタ、キャンバス、AI支援が一体になっており、Dockerでのセルフホストにも対応します。コードは公開されており、大部分がMITライセンスです(サーバーの一部機能は別ライセンス)。向かない人は、素のMarkdownファイルだけで完結させたい人です。クラウド版は無料プランがあり、Proは年払いで月6.75ドルです。UIは日本語に対応しています。セルフホストは、無料のFOSS版と、クラウド版と同等の機能を自社サーバーで使えるSelf-Hosted Team(1シートあたり月10ドル)の2段構えです。正直な注意点として、セルフホスト版の管理機能はクラウド版より後追いで、バージョンアップで運用手順が変わることがあります。運用時間を確保できないチームには、クラウド版から始めることを勧めます。
Notionのデータベースやかんばん表示をOSSで再現したい人に向きます。RustとFlutterで開発されており、グリッド・ボード・カレンダーの表示切り替えとセルフホストに対応します。向かない人は、Notion並みの外部連携や共有リンク運用を初日から求める人です。Star数は約73,000と今回の10候補で最大です。デスクトップ版は無料で、クラウド同期を使う場合に有料プランがあります。NotionのエクスポートZipを読み込む公式インポート機能があり、移行の入口は整っています。
アウトライナーと双方向リンクで日誌型のメモを育てたい個人に向きます。ブロック単位の記録とページ間リンクが中心で、データはローカルのMarkdownまたはorgファイルとして残ります。向かない人は、チームでの同時編集や権限管理を主目的にする人です。UIは日本語に対応しています。現在はMarkdown版と並行して、同期を前提にしたデータベース版への移行が進んでおり、長期運用ではデータ形式の行方を追っておく必要があります。
Evernoteからの移行先を探している人や、端末間で暗号化同期できるMarkdownノートが欲しい人に向きます。エンドツーエンド暗号化の同期、豊富なプラグイン、モバイルアプリが揃っています。向かない人は、Notionのようなデータベースや共有ページ運用を求める人です。同期先はJoplin Cloudのほか、NextcloudやS3など自前のストレージも選べます。日本語の利用者情報が厚く、国内実績の長さでは10候補の中でも上位です。
ブロック型エディタとローカルファーストを両立したい人に向きます。ブロック参照や属性など、Notionに近い操作感をローカル保存のまま実現でき、Dockerでのセルフホストも可能です。UI自体は日本語に対応しています。向かない人は、日本語・英語のコミュニティ情報の厚みを重視する人です。ドキュメントや事例は中国語圏が中心になります。
社内Wikiを軽く速く立ち上げたいチームに向きます。ドキュメント階層、検索、Slack連携など、チームWikiに必要な要素へ集中した設計です。注意点として、ライセンスはBSLで、厳密なOSS定義とは異なります。向かない人は、個人のメモ管理やホワイトボード用途を求める人です。Notionからの公式インポート機能があり、チームWikiへの移行導線は10候補で最も整っている部類です。一方でセルフホストにはPostgreSQLとRedis、そしてSSO(GoogleやSlackなど)の設定が前提になるため、構築工数は「Docker一発」よりは重めに見積もってください。
ConfluenceやNotionの社内ドキュメント部分をOSSで置き換えたいチームに向きます。スペース単位の権限、リアルタイム共同編集、コメントを備えています。向かない人は、長い運用実績を最優先する保守的な環境です。比較的新しいプロジェクトのため、更新状況を確認してから採用してください。Star数は約21,000まで伸びており、この分野では成長が最も速いプロジェクトの1つです。
マニュアルや手順書を「本・章・ページ」の構造で管理したいチームに向きます。PHP製でセットアップが軽く、MITライセンスで運用実績も長い選択肢です。向かない人は、自由なブロック編集やデータベース表示を求める人です。PHPとMySQL/MariaDBで動くため、一般的なLAMP環境の運用知識がそのまま使えます。
階層型ノートを深く掘って個人の知識ベースを作り込みたい人に向きます。ノート間の関係づけやスクリプトによる拡張が強力です。本家(zadam版)の開発は終了し、現在はコミュニティ後継のTriliumNextが正式に引き継いでいます。Star数は約37,000で、2026年7月時点でも更新は活発です。向かない人は、チーム利用や長期サポートの保証を求める人です。
ローカルファーストと暗号化を最優先する個人に向きます。オブジェクト指向のノート設計が特徴で、データは端末側に保持されます。注意点として、ライセンスはソースコード公開型の独自ライセンスで、OSI定義のオープンソースとは異なります。向かない人は、標準的なMarkdownでの相互運用を最優先する人です。アプリは基本無料で、ネットワーク同期の容量などが課金対象です。Notionからの公式インポート機能があります。
オープンソースではありませんが、ローカルMarkdown保管の定番として比較対象から外せません。個人利用は無料で、2025年からは商用利用も追加費用なしで可能になりました(商用ライセンスは任意購入)。プラグインの生態系は最大級です。OSSであること自体が要件でないなら、ファイル所有を最優先する個人にとって最有力候補の1つです。リアルタイム共同編集は主目的ではなく、端末間同期のObsidian Syncは1ユーザーあたり月4ドルからの有料アドオンです。
個人の研究ノートなら、ローカルファイルを重視してLogseq、Joplin、SiYuan、あるいは番外のObsidianを検討します。チームWikiならOutline、Docmost、AFFiNEのように権限、共有、検索を軸に比べます。ホワイトボード、プロジェクト計画、AIでの整理まで同じ場所で行いたい場合にAFFiNEが候補になります。逆に、表構造のデータベース管理が中心ならAppFlowyの方が近道です。
迷ったら、次の早見表から2つに絞って実データで1週間試すのが早道です。
| 目的 | 第一候補 | 次点 |
|---|---|---|
| ドキュメント+ホワイトボード+AI | AFFiNE | AppFlowy |
| Notion風のデータベース管理 | AppFlowy | SiYuan |
| 社内Wiki・チーム文書 | Outline | Docmost |
| 個人のローカルMarkdown | Obsidian(番外) | Joplin |
| アウトライナー・デイリーノート | Logseq | SiYuan |
| マニュアル・手順書 | BookStack | Outline |
| 暗号化とローカルファースト | Anytype | Joplin |
| 階層型の個人知識ベース | Trilium (TriliumNext) | SiYuan |
セルフホストを選ぶ場合、Dockerで起動できるかだけでなく、バックアップ、アップデート、認証、権限、ログの扱いまで運用項目に入れてください。OSSは自由度が高い分、責任範囲も広がります。週に30分でも運用時間を確保できないなら、マネージドなクラウド版から始めて、必要になった時点でセルフホストへ移す方が現実的です。
代替を探す記事ですが、移行しない判断も同じくらい重要です。次に当てはまるなら、現時点ではNotionを続ける方が合理的です。
逆に、オフラインで開けない不満、データの保存先を自分で決めたい要件、ユーザー数に比例して増える月額のどれかが刺さっているなら、この記事の10候補を試す価値があります。
情報システム部門がセルフホストを検討する場合、サーバー費用そのものより運用工数の見積もりが判断材料になります。目安として、Dockerで起動できるツールなら初期構築と動作検証に0.5〜1人日、運用開始後はアップデート適用、バックアップ確認、アカウント棚卸しで月2〜4時間程度を見込んでください。実際にやってみると、構築そのものより「アップデートを誰がいつ当てるか」を決めていなかったことで止まるケースが多く、担当者と頻度を先に文書化しておくと運用が安定します。サーバーのスペックと費用はチーム規模とツールによって幅があるため、まず検証環境で実際の負荷を確認してから本番構成を決めるのが安全です。
セキュリティ部門への説明では、機能比較表よりも次の5点を先にまとめると話が早く進みます。データの保存先(リージョンと管理主体)、通信時と保存時の暗号化、認証方式(SSOや2要素認証への対応)、バックアップと復元の手順、そして脆弱性が見つかったときの修正体制です。OSSの場合、最後の項目はリポジトリの更新履歴とリリース頻度がそのまま判断材料になります。機能が要件を満たしていても、数年更新が止まっているプロジェクトは採用を見送る方が安全です。
紹介記事では「Dockerで簡単」と書かれがちですが、実際の運用で止まるのは別の場所です。国内のセルフホスト事例やコミュニティの報告で繰り返し出てくるのは、次の5つです。
AFFiNEも例外ではありません。セルフホスト版の管理機能はクラウド版より後追いで、過去にはバージョン間でAPIが変わり、運用スクリプトの修正が必要になった例もあります。だからこそ本記事では、運用時間を確保できないチームにはクラウド版から始めることを繰り返し勧めています。
前提として、Notionのエクスポートで持ち出せる情報には限りがあります。データベースはCSVと個別ページに分解され、コメント、編集履歴、権限設定、データベースのビュー(フィルタや並び順)はエクスポートに含まれません。つまり移行とは「全部を持っていく作業」ではなく「何を再現し、何を捨てるかを決める作業」です。ここを先に関係者と合意しておくと、移行後の不満が大きく減ります。
受け入れ側の入口にも差があります。Outline、Anytype、AppFlowyにはNotionからの公式インポートがあり、AFFiNEやJoplin、SiYuanはMarkdown/HTMLファイルの取り込みが基本です。BookStackのように直接のインポータを持たないツールでは、APIやコミュニティのスクリプトを使うことになります。
費用面では、Notion Plusは月払いで1ユーザーあたり月1,650円(年払いで割引あり)です。移行を検討する際は、この費用と、OSS運用にかかるサーバー・保守・人件費を並べて比較すると判断しやすくなります。
用途によります。ドキュメントとホワイトボードをまとめたいならAFFiNE、社内WikiならOutlineやDocmost、暗号化同期のMarkdownノートならJoplin、Notion風のOSSデータベースを試したいならAppFlowyが候補です。
ソフトウェア自体が無料でも、サーバー、バックアップ、保守、認証設定、運用時間のコストが発生します。価格ではなく総運用コストで比較してください。
AFFiNE、Joplin、Logseq、SiYuan、BookStackなど、主要な候補の多くはコミュニティ翻訳を含めて日本語UIに対応しています。ただし公式ドキュメントやトラブル時の情報は英語(SiYuanは中国語)が中心になるため、UIの言語だけでなく情報源の言語も確認してください。
Markdown & CSV、HTML、PDFの3形式から選べます。データベースはCSVに分解され、コメント、編集履歴、権限設定はエクスポートに含まれません。移行前に、失われる情報を許容できるか確認してください。
最大リスクはデータベース構造、添付ファイル、権限の再現です。単純なページ移行より、運用ルールと検索性の再設計に時間がかかります。
Obsidianはオープンソースではないため、この記事では番外として扱っています。個人利用は無料で、2025年からは商用利用も追加費用なしで可能になりました。ローカルMarkdown保管を最優先するなら、OSSでないことを許容してでも検討する価値があります。
いいえ。AFFiNEはページ型ドキュメントに加え、ホワイトボード型の視覚思考やAI整理を同じ空間に置く設計です。Notionと似た用途はありますが、強みの軸は異なります。
小規模チームの目安として、初期構築と動作検証に0.5〜1人日、運用開始後はアップデート適用、バックアップ確認、アカウント管理で月2〜4時間程度を見込んでください。サーバー費用は構成により幅があるため、検証環境で実際の負荷を確認してから本番構成を決めるのが安全です。アップデートの担当者と頻度を先に決めておくことも重要です。